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2026年7月5日
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午前二時の小さな決断と小鍋の湯気
家族が完全に寝静まった午前2時のことだ。ふと目が覚めてしまった私は、どうしても腹の虫を抑えきれず、冷たいフローリングの廊下を抜き足差し足で台所へと向かった。暗闇の中で換気扇の小さな豆電球だけを点灯させる。すると、昼間は見慣れているはずの台所が、まるで自分だけの秘密の隠れ家のように見えてくるから本当に不思議なものだ。音を立てないように戸棚をそっと開けて、黄色いパッケージのインスタントラーメンを一つだけ取り出す。
カサッというビニール袋の擦れる音が、静まり返った家の中ではやけに大きく響いたような気がして、思わず肩がビクッと跳ねてしまう。誰にも見咎められるはずはないのに、まるで泥棒にでもなったかのような謎の緊張感がある。ガスコンロのつまみを息を殺して静かに押し回すと、チチチチという点火の電子音に続いて、美しい青い炎が音もなく立ち上がった。
使い込まれた愛用の雪平鍋にきっちり500ミリリットルの水を量り入れて、静かに火にかける。水が徐々に温まり、やがて鍋の底から小さな気泡がふつふつと湧き上がり始めるその過程を、私は腕を組んでただじっと見つめていた。換気扇の低いモーター音だけが、深夜の静寂を規則正しく刻んでいる。昼間の喧騒が嘘のように静まり返ったこの時間は、私一人のために用意された特別な儀式の幕開けだった。お湯が沸騰するのを待つ数分間すら、深夜の背徳感という見えないスパイスとなって、私の食欲を静かに煽り立てるのだ。

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