珈琲の深い苦味と一緒に味わいたいのが、純喫茶ならではのクラシックな甘味の数々だ。中でも不動の人気を誇るのが、昔ながらの製法で作られた自家製のカスタードプリンである。現代のコンビニエンスストアで売られているような、スプーンからこぼれ落ちるほどトロトロの柔らかいプリンとは全く違う。卵の風味がしっかりと強く、スプーンを入れると少し抵抗を感じるほどの固めの食感が特徴だ。
脚のついた銀色の金属製の器に乗せられ、トップには甘さ控えめの生クリームと真っ赤なサクランボがちょこんと乗っている。その完璧なまでに愛らしい視覚的な美しさは、食べるのがもったいなく感じるほどである。底に沈んだカラメルソースは、ただ甘いだけでなく、焦がした砂糖のしっかりとしたほろ苦さがあり、それが濃厚なプリンの甘さを引き締めてくれる。
また、鮮やかなエメラルドグリーンの液体にバニラアイスが浮かぶクリームソーダも、純喫茶を象徴するメニューの一つだ。シュワシュワとはじける炭酸の音と、アイスクリームが溶け出して少しずつ色が淡く変化していく様子は、大人になっても童心に帰り、無条件に心を躍らせてくれる不思議な魔法の飲み物なのである。
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