現在市販されているゴルフボールのディンプルは、どれも同じように見えるかもしれませんが、実はメーカーごとに航空力学に基づいた途方もない計算と実験が繰り返されています。ディンプルの数、大きさ、深さ、そして配置のパターンをほんの少し変えるだけで、ボールの飛び方は劇的に変化してしまうからです。
一般的にディンプルの数が多いほど空気抵抗は減りやすいとされていますが、単に数を増やせば良いという単純なものではありません。くぼみが深すぎると空気の渦が大きくなりすぎて逆に強いブレーキがかかってしまい、浅すぎると今度は乱流を作り出すことができずに失速してしまいます。そのため、100分の1ミリ単位という極めて精密な深さの調整が求められます。
さらに配置のデザインも非常に重要です。正三角形や正五角形を組み合わせた幾何学的なパターンをボールの表面に隙間なく敷き詰めることで、どの角度から風を受けても常に安定した飛行姿勢を保てるように設計されています。近年では、真ん丸ではなく少し楕円形に近いくぼみや、大きさの異なる複数のディンプルを複雑に組み合わせたモデルも数多く登場しています。小さな白い球体の表面には、最新のスーパーコンピューターが弾き出した、最も効率よく空を飛ぶための極限の設計図が刻み込まれているのです。
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