夏至の時期に気温が高くなり本格的な夏を迎える理由は、太陽が空に出ている時間が長いからだけではありません。より重要となるのが、太陽の光が地面にぶつかる角度、つまり南中高度の高さによる熱エネルギーの働きの違いです。懐中電灯の光を床に当ててみる実験を想像してみてください。光を真上から垂直に当てると、光の輪は小さく集中し、その部分はとても明るく熱くなります。しかし、光を斜めから当てると、光の輪は楕円形に大きく広がり、同じ光の量でも単位面積あたりの明るさや熱は分散して弱くなってしまいます。
これと全く同じ現象が地球の表面でも起きています。夏至の頃の北半球では、南中高度が高くなるため太陽の光がほぼ垂直に近い急な角度で地面に降り注ぎます。そのため、光の熱エネルギーが狭い範囲にギュッと集中して地面を強力に温めるのです。温められた地面は、今度はその熱を空気中に放出して気温をグングンと上昇させます。
逆に冬の時期は、南中高度が低くなり太陽の光が斜めから差し込むため、熱エネルギーが広い範囲に分散してしまい、地面を十分に温めることができません。地軸が23.4度傾いていることで生じる太陽の光の入射角の劇的な変化が、厳しい寒さの冬と灼熱の夏という、全く異なる二つの気候を交互に作り出している力学的な理由なのです。
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